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INTERVIEW

長妻広樹

 

登山中に遭難して、九死に一生を得た男

18年の4月某日、その日は訪れました。2年ほど前から始めた趣味の登山で、その日は一人で神奈川県の蛭ヶ岳に行きました。山頂から下るときに、上級者コースを下っていたところ、登山道の踏み後が不明瞭だったため、道を間違えてしまいました。当時は別の事務所に所属していたのですが、翌日から3月決算の作業もあったため、早く下山したい。そう思って、沢沿いを歩いていたら、約4メートルほどの崖が出現し、懸垂下降しているときに、足場が崩れて滑落してしまいました。地面にたたきつけられ、そのまま後ろに2~3回転げて、右手首と右大腿骨頸部を骨折。激痛でまともに歩くこともできなかったのですが、近くの岩陰まで無理矢理立って移動しました。もちろん、携帯の電波は通じません。やむを得ず、岩陰で助けを待つことにしました。「もうダメかもしれない」という思いが頭をよぎり、目の前の滝に身を投げようかとも考えました。そして、滑落から7日目の朝、ついに登山者が近くを通り、大声で助けを呼んで、レスキュー隊を呼んでもらい、なんとか生還することができました。そのとき登山者からもらったおにぎりは、人生で一番美味しかったです。もしこの話をもっと聞きたい方は、私と打ち合わせするときに、遠慮なくお尋ねください(笑)。

システムエンジニア→税理士という、類を見ないジョブチェンジ

大学は理学部を卒業して、最初はプログラマーの職につきました。仕事は朝から晩までかなりバリバリとこなしていたのですが、どうしても人と会う機会が減って、職人みたいな働き方をしていました。なんとなく「自分の目指している方向と違う」と思っていた30歳のとき、会計ソフト関連の仕事をしていたことから、たまたま受けた簿記3級に合格して、それから税理士を目指し始めました。しかし、社会人から税理士を目指すとなると、まずは簿記1級に合格しなくてはいけない。このときは苦労しまして、仕事終わりの6時から予備校に週3日通い、その後会社に戻って仕事をし、毎日必ず3時間は勉強をするという、過酷な受験生活を送っていました。結果、8回試験を受けて、38歳のときに合格、ようやく念願の税理士になれました。現在は、お客様と対面の仕事もできますし、前職の知識を活かして社内の業務効率化を担当することもあります。紆余曲折はありましたが、「税理士×プログラマー」という二足のわらじを履いた存在として、お客様のためになれる、唯一無二の税理士でありたいと思っています。

10年後の目標は、“社会人3大スキル”の制覇

「会計、プログラミング、英語」が社会人の三大スキルと言われますが、会計とプログラミングは習得したので、今度は英語の勉強を始めようと思っています。一度きりの人生、自分を高められる所まで高めたいと思い、最終的には海外でも活躍できる税理士になりたいです。他人からは「なんでそんなに頑張るの?」と言われることもあるのですが、恐らくチャレンジすることが好きなのだと思います。たしかに、税理士を目指し始めた時期は遅かったかもしれないですが、なんとか試験に合格することもできたし、人の役に立てる税理士の仕事は本当に楽しいです。山で遭難もしたし、本当に山あり谷ありの人生ですが、そんな私だからこそ担当できるお客様のお話もいると思います。そして、人生の本番もまだまだこれから。どこまでも上に登って行きたいですね。
文 : KAZUMA
 
安藤克哉
KATSUYA ANDO
血液型:A型
誕生日:1978年11月28日
出身地:埼玉県川口市
バイブル:人を動かす(著者:デール カーネギー)
モットー:努力は人を裏切らない、知識は荷物にならない
一番落ち着く場所:自然豊かな水辺や森、山