Switch

INTERVIEW

水村耕史へのインタビュー

 

ジョッキーを目指した第一の青春

私の最初の青春は、身長・134㎝で、ぽっちゃり体系だった中学1年生のとき。競馬好きだった父親の影響で自分も競馬が好きになり、小さいけれど輝いているように見えたプロの競馬の騎手になりたいと思い始め、中2から本格的にジョッキーを目指し始めたんです。ただ、騎手になるには試験を受けて競馬学校への入学が必要なのですが、驚いたのは応募要項に記された体重制限が44㎏以下だったこと。当時、50㎏台半ばだった私は、その夏休みに死に物狂いでダイエットして、13㎏痩せたんです。近頃はお世辞で「イケメンだね!」なんて言われることがありますが、それは一応このときの自分の努力に感謝しています(笑)。また、競馬学校に受かるためには乗馬クラブに通わなくてはならないのですが、その乗馬クラブに通う費用がなかなか高額で、高校生のときからはレストランでアルバイトして、かかる費用を自分で払っていました。乗馬、トレーニング、バイト……この繰り返しの生活を、高校2年のときまで続けてましたね。一日の最後に自分の納得した体重まで落ちていないと、そのままプール&サウナを繰り返すこともありました。でも、17歳で2回目の競馬学校のテストを受けて落ちたとき、ついに燃え尽きてしまって。努力し尽くしても叶わない夢があることを知った、文字通りの完全燃焼でした。しかし、あの頃の努力があるから、税理士として頑張れている今の自分があるので、いま思い返しても、色あせない青春です。

“イケメン”なのにスマートじゃなかった、第二の青春

騎手になることを諦めた高校2年のときから、今度は祖父が税理士だった影響もあって、税理士を目指し始めました。しかし、周りに17歳から税理士を目指している友達などいなかったので、「目指している時期が早いから(ジョッキーと違って)今度は余裕だ」と、大学に入っても全然勉強せず。その頃何をしていたかというと、お酒もまったく飲めないのに友達と夜の街に繰り出してみたり、そこで友達に「イケメンなんだから声をかけてこいよ」と煽られ、女性に声をかけてみたりする日々を過ごしていました。ただ、「勉強しなくては」という焦りがあるので、ナンパだって上手くいかない。しまいには、大学2年生になっても簿記2級に3回落ちるほどのあり様でした。そこでようやくお尻に火が付き、騎手を目指していた時に培った伝家の宝刀“死に物狂い”で猛勉強を始めました。その結果、大学院在学中に合格することができ、無事大手の税理士法人に就職。そこから独立して現在のswitch税理士法人を設立するに至るわけなのですが、全然スマートじゃないですよね(笑)。でも、この失敗しても立ち上がる足腰の強さが、自分の強みなんじゃないかなと思っています。僕の人生、アンチスマートなんです(笑)。

コンサルタントに金融教育。新しい形の税理士法人を目指して。

現在、税理士法人以外の企業の社内取締役に就任し、金融的な側面からアドバイス、経営改善計画を立てるなどのコンサルタント業務を行っています。これができるのは、自分も一から組織を作り上げたとき、資金面や組織作りで大きな苦労をした経験があるからです。その1つが、私がSwitchを始めた当初、同級生の従業員に、給料が払えなくなりそうになったこと。なぜこんなことになったかというと、お客様から入ってくるはずのお金が、文句をつけられて入金されなかったことが原因でした。ほかにもいろんな問題が出ては、全部自分で管理しながら資金繰りを見て実務をこなしていたのですが、一人個人にできることの限界を次第に感じて、仲間に頼る重要性を徐々に理解し、だんだんと人に任せられるようになっていきました。それから、今のswitchの形が形成されて、現在、若手の税理士法人としては比較的大きな規模で経営できています。この知識を、会計や確定申告の相談だけではなく、「目的を達成するために、バックオフィス、金融面を整えたい」と考えている企業を支援すべく、コンサルタント業務を行っています。またほかにも、母校の神奈川大学をはじめ、全国の大学や企業で、生徒や社員の金融リテラシーを高めるための講演や特別授業を行う活動をしています。受講者には「将来なりたい自分像の年表」を作ってもらって、かかる費用を税金・社会保険から逆算し、どのようなライフスタイルを送りたいか考えてもらうなど、金融知識を将来に活かせるようになるための講義を展開しています。税理士は、自分が培ってきたさまざまな経験・知識を用いて、お客様を幸せにする職業です。何がお客様のためになるかを常に考えながら、今後もさまざまな活動を展開していきたいと考えています。
文 : KAZUMA
 
水村耕史
KOJI MIZUMURA
血液型:A型
誕生日:1988年9月2日
出身地:神奈川県横浜市
バイブル:星野佳路の「プロフェッショナル」
モットー:まずは「聞く」
一番落ち着く場所:景色の良い温泉